各種椎間板、脊柱管狭窄症、変形性関節症、靭帯断裂・損傷、軟骨断裂など。
もし私が「非生体」ステロイドで治療されたらどうなるでしょうか?
生体物質であれば、損傷組織に注入すると周囲の組織と相互作用し、良質なタンパク質を産生することで根本的な治療効果が得られます。しかし、合成物質では(炎症を緩和することは可能であっても)根本的な治療は困難です。
ステロイドは、生体物質ではなく、体内の組織と伝達しにくい合成物質であるため、その効果の持続時間は短いです。
ステロイドの一種であるトリアムシノロンは、体内に注入されると「溶解せずに浮遊」します。この状態でステロイドを繰り返し注入すると、残留ステロイドが体内に蓄積し、骨が溶けて関節が徐々に弱くなります。
ステロイドは私たちの体のホルモンのバランスを崩し、免疫系を抑制して感染症にかかりやすくします。
幹細胞とは、さまざまな細胞に分化し、自己複製できる「生きた物質」です。
特に、体内にある幹細胞(自己幹細胞)を用いるため、体からの拒絶反応が少ないことから、近年注目されている医療行為です。
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生きた物質である幹細胞は、さまざまな細胞に分化できる性質を持っているため、損傷した組織に注入すると、その部位の細胞に分化し、組織の再生を助けることができます。
特に軟骨や椎間板は自然再生能力に限界がありますが、幹細胞治療は損傷部位を修復し、機能を改善することができます。そのため、主に慢性疼痛や変性疾患の治療に用いられています。
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幹細胞から分泌されるいくつかの成長因子とサイトカインには、免疫反応を調節し、炎症を軽減する効果があります。
さらに、幹細胞は損傷した組織自体を再生できるため、炎症の根本的な原因にも対処できます。
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幹細胞はステロイドなどの合成物質とは異なり、損傷した部位に注入された瞬間から周囲と絶えず情報交換を行う生きた物質です。
そのため、身体の状態に合わせたリアルタイムの治療が可能となり、結果的に他の治療法よりも治療効果が長く持続します。
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ステロイドのような外部からの物質は、繰り返し投与することで関節や骨が溶けたり、様々な合併症を引き起こしたりする可能性があります。一方、自己幹細胞(患者さん自身の幹細胞)を用いた治療では、体がそれを異物として認識しないため、拒絶反応が少なくなります。
また、幹細胞には免疫調節能力があるため、ステロイドなどの免疫抑制剤の使用を最小限に抑えることができます。(免疫抑制剤を頻繁に使用すると血圧や血糖値が上昇し、糖尿病や骨粗しょう症などさまざまな病気のリスクが高まります。)
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